Raina Lipsitz著「The Rise of a New Left: How Young Radicals Are Shaping the Future of American Politics」

The Rise of a New Left

Raina Lipsitz著「The Rise of a New Left: How Young Radicals Are Shaping the Future of American Politics

アメリカの若い世代による新しい左派運動についての本。バーニー・サンダースの選挙を支え、アレクサンドラ・オカシオ・コルテスをはじめとする新たな世代の社会民主主義的な政治家を生み出したジャスティス・デモクラッツやアメリカ社会民主党などで活動する、多くが女性や非白人の活動家や学生たちへの取材に基づいて書かれている。

わたし的には、バーニーやAOCらに政策的には共感する部分が多いもの、かれらの支持層が感覚的に合わないというか、まあ特にバーニー周辺のいわゆる「バーニーブロ」が苦手なので、あんまり近づかないようにしてるので、ジャスティス・デモクラッツやDSAがどのような考えに基づいて活動しているのかという話は興味深かった。右派の若者運動について扱ったKyle Spencer著「Raising Them Right: The Untold Story of America’s Ultraconservative Youth Movement and Its Plot for Power」と読み比べても、本書に登場する活動家たちのオーセンティシティは尊敬できる。いっぽうそれらの団体のメンバーや支持者の多数が白人であるという事実は著者も活動家たちも認めていて、そのなかでどうやって女性や非白人のリーダーシップを尊重し、支持を広げていくのかは課題。黒人のジャマール・ボウマンやアヤナ・プレスリー両下院議員への支持を撤回すべきかどうかをめぐり内部で起きた論争についてもきちんと取り上げられていた。