
Monique Prada著「Putafeminista: A Manifesto of Sex Worker Feminism」
ブラジルのセックスワーカー活動家が脱植民地主義セックスワーカーフェミニズムについて語る本。ブラジルで2018年に出版された本の英訳。
著者以外の人による序文が2つもついたうえで英語版にして100ページにも満たない短い内容だけれど、性労働者を声なき被害者として扱い当事者を追い詰めるような法律を支持するフェミニストたちに対する鋭い批判がコンパクトにまとまっている。そうしたフェミニズムが主に先進国の白人女性たちによって広められ、彼女たちから資金面で支援を受けたり発言する場所を与えられている現地の女性たちの言説に反論する、という意味では脱植民地主義セックスワーカーフェミニズムという言葉に偽りはないのだけれど、読んでみたら脱植民地主義の部分はあまりなく、意外と普通に普遍的なセックスワーカーフェミニズムだった。アメリカの文脈でも違和感がないけど、なさすぎて逆に翻訳されたのがこの本でいいのかという気もする。
ブラジルのセックスワーカー活動家といえば自叙伝「Daughter, Mother, Grandmother, and Whore: The Story of a Woman Who Decided to Be a Puta」を出版したGabriela Leiteさんが元祖であり有名。しかしLeiteさんの著作は彼女の話をもとにゴーストライターが書いたものだし、ほかにも出版されている多くのセックスワーカーたちの著作がゴーストライターや共著者の介在したものであることを指摘し、ゴーストライターや共著者を頼るのは悪いことではないと言いつつ、セックスワーカーが自らの文章を発表することがどれだけ難しいのか書いている部分は、「セックスワーカーは自らの声で語れるのか」と問い続けたLeiteさんと通ずる。