Sarah Jaffe著「Work Won’t Love You Back: How Devotion to Our Jobs Keeps Us Exploited, Exhausted and Alone」

Work Won't Love You Back

Sarah Jaffe著「Work Won’t Love You Back: How Devotion to Our Jobs Keeps Us Exploited, Exhausted and Alone

まずタイトルに惹かれた。仕事を愛しても仕事は愛し返してはくれない。仕事に情熱を求めたり、自分が本当にしたいことを仕事にするべきだという社会の要請がいかに労働条件の悪化と経済格差の固定をもたらしているか、という分析と、それに立ち向かう労働者たちの取り組みについて。「情熱や愛情を要求される仕事」(ケア労働、メイド、教師、リテール、非営利団体など)と、「お金のためでなく情熱のためにする仕事」(アート、研究者、スポーツなど)に分けてさまざまな業界で困難を経験している人たちの例をあげている。この2つの分類はかなり違ったパターンに見えるのだけれど、それぞれの労働条件を悪化させ搾取を不可視化している構図に共通の論理を見出すのはさすが。