Morgan Parker著「You Get What You Pay For: Essays」

You Get What You Pay For

Morgan Parker著「You Get What You Pay For: Essays

ミレニアル世代の代表的な黒人女性詩人の一人による初エッセイ集。

「黒人はカウンセリングを受けない」と言われながらも自殺思慮や不安を抱えカウンセリングを受け続けてきた著者が、アメリカの黒人たちがたどってきた過酷な経験に自分のことのように共振したり、カニエ・ウエストがたどった道のりと自分自身の作品にどうメンタルヘルスが関係しているか考えたりする過程を、まるでカウンセラーに打ち明けるかのように語っていく。「トラウマに感謝なんてしない、自分のアートがトラウマ頼りだなんて思わないし、苦しむことは自分の性格なんかじゃない。[…] 他人が傷つくことはわたしのアートに必要ではないし、創造するために追い回される必要もない。また(黒人の)子どもが(警察に殺されて)死ななくても自分には言いたいことがたくさんある。自分はf—ing天才なんだ」という宣言に収斂していくクライマックスがすごい。