Meridith McGraw著「Trump in Exile」
バイデンとの選挙に敗れ、裁判や暴力で選挙結果を覆そうとした目論見にも失敗し、失意のうちホワイトハウスからフロリダ州の豪邸マー・ア・ラーゴに退いたトランプ元大統領が、党内の反対派を駆逐しふたたび大統領候補として力をつけるまでの動きを政治ジャーナリストが追った本。
1/6連邦議事堂占拠事件にはじまり二度目の弾劾裁判、白人至上主義者らとの会食、イラン攻撃計画や各配備などの内容を含んだ機密文書を別荘のトイレなど客の目に付く場所に放置していた事件をはじめとした複数の刑事裁判など、本書で扱われている内容は政治のニュースに触れていれば「ああ、そういうことあったな」と思い出すものばかりだけれど、その一つ一つがほかの政治家なら一発でキャリアを失うレベルの話ばかりで、「そういうことあったな」で済まされてしまうのは困ったところ。
とくに新しい発見はないけれど、トランプの異常さと、弾劾裁判の際にきっちりトランプを沈めておかなかったせいで主導権を完全に取り返されてしまった共和党(旧)主流派のまずさをきっちり再認識できる。てゆーかいまさら再認識するまでもないという気もするけど、忘れ去られてしまうまえにきちんと本にするのは大事。