Kai Kupferschmidt著「Blue: In Search of Nature’s Rarest Color」

Blue

Kai Kupferschmidt著「Blue: In Search of Nature’s Rarest Color

海や空の色として普段から目にしているのに実際のところ自然界では珍しい色「青色」についての本。表紙の写真から、進化生物学についての本なのかなあと思ったら、鉱石学・人類学・言語学・歴史・美術・生物学などさまざまな分野に触れつつ動物・植物・鉱物その他の自然物に見られる青色やその進化・物理的構造からそもそもの色の仕組み、人間の視覚、文化的な意味など次から次へとおもしろい話題を提供してくれる。日本関連の話題だけを見ても、サントリーが開発した「青いバラ」(写真を見たらけっこうショボい)や中村修二さんらがノーベル物理学賞を受賞した青色発光ダイオードに触れられているなど、著者は青色に取り憑かれているのかと思うほど広い範囲をカバーしている。単純におもしろい内容。