Danielle Styron & James Styron著「The Mile High Club: Confessions of a Private Jet Flight Attendant」

The Mile High Club

Danielle Styron & James Styron著「The Mile High Club: Confessions of a Private Jet Flight Attendant

プライベート・ジェットのフライトアテンダントとして働く著者(Danielle)による暴露本。自分だけは一般常識や世間のマナーに従わなくてもいいと信じて疑わない金持ちたちがプライベートな空間でどのように振る舞うのか、まあ大体想像がつくわけだけど、その想像をほんの少し超えてくる本。

プライベート・ジェットといっても本当に大富豪の個人が所有していて自身とそのゲストしか乗らないものもあれば、チャーター便として毎回異なる人や企業・集団にレンタルされるものもある。というか後者のほうが多くて、プライベート・ジェットで旅行する金持ちの中にもランクに応じていろいろあったりするわけだけど、そこで働くパイロットやフライトアテンダントも特定の大富豪の専属として働く人は少ない。本書のはじめには著者が専属としてリクルートされた話が出てくるけど、条件があまりに良いから家族や友達に「こんな仕事に誘われている」と自慢したところ、大富豪の見ている前でほかの男女とセックスすることが仕事に含まれていたり。その大富豪というのはキリスト教の有名伝道師として多数の信者を抱える人らしく、宗教的な理由から本人は絶対に手を触れないから大丈夫、と説明されたのだけれど、女性同士も含め若い男女にお金を払ってセックスを見せろと要求するのは許される宗教ってどの宗派やねん。

グロい話や、フライトアテンダントとして乗客の安全を守る仕事をしているのに言うことを聞いてくれない乗客、しまいにはフライトアテンダントに対する暴力は連邦法上かなりの重罪になるのに手を出してくる乗客など、大変な実体験がたくさん。しかし金持ちの常軌を逸した傲慢さや常識の無さといった要素を除けば、一般のフライトアテンダントやレストランなどサービス業で働く人たちの経験とそれほど離れてもいない気もする。