Thomas Piketty著「Equality Is a Struggle: Bulletins from the Front Line, 2021-2025」
タイトルにあるとおり、トマ・ピケティせんせーが2021年から2025年にかけてさまざまな媒体に寄稿した著述集。重複するところもあるし短い論説でフランスの政治についてよく知らないと分かりにくい内容もあるけど、序盤に多く掲載されている、社会的不公正や不平等と社会民主主義について書かれた長め(といっても他と比べればというだけで、基本的に短い)の文章は歯切れがよく読み応えがある。
ロシアやイスラエルの戦争犯罪とその解決のためにヨーロッパが行うべき行動、そしてそれを可能とするためのより強力なEUのガバナンスなどについても取り上げられていて、経済政策だけにとどまらない。短い文章がたくさん掲載されているので気になるところだけでもサクサク読めばいいと思う。