Ethan Mollick著「The Unicorn’s Shadow: Combating the Dangerous Myths That Hold Back Startups, Founders, and Investors」
「ユニコーンの影」「スタートアップや創業者、投資家を惑わす危険な神話」というキーワードから、スタートアップカルチャーの問題点を指摘する本かと思って手に取ってみたら、ユニコーンを目指して起業する人たちへの普通のアドバイスだった本。著者はスタートアップ研究者で、自身のものも含め多数の研究を紹介しつつ、成功しなければザッカーバーグやマスクの真似をしなくちゃ駄目だ、みたいなうっすら広がる思い込みを批判する。
たとえば創業者は若ければ若いほどいいとか、とにかくヴェンチャーキャピタルからお金を集めて急速に規模を拡大しろ的な思い込みに対して、実際のデータではこうだよと常識的なことを伝える内容。企業カルチャーの統一性を重視するあまり若い白人男性が自分と同じような人たちばかり採用することの問題なども指摘しており、間違ったことは言ってないけど、まあそりゃそうだよね、という感想しか浮かばないのは、わたしが起業家でも投資家でもないからなのか。そういう本を探している人にはいいんじゃないの、と思うけど、わたしが思ってたのとは違ってた。「読むの中止しようかな」と思っているうちに終わってしまったくらい短い本だし、まあせっかく読んだし一応報告しとく。