Vicky Osterweil著「In Defense of Looting: A Riotous History of Uncivil Action」

In Defense of Looting

Vicky Osterweil著「In Defense of Looting: A Riotous History of Uncivil Action

2020年夏にそれまで最大の盛り上がりを見せたブラック・ライヴズ・マター運動に対して、「あれは平和的な抗議運動ではなく不法な暴動に過ぎない」という批判と、それに対する「暴動を起こした人たちはBLMとは無関係であり、ほとんどのデモは平和的に行われた」という反論が行き交うなか、暴動を解放運動の一部として擁護する立場から出された本。デモの現場で起きる略奪行為を奴隷たちによる反逆や逃走(自分たちの体という資本の所有権を一斉蜂起により所有者から奪い取る行為)からの歴史的繋がりで解釈し、略奪の正当性と運動としての有効性を主張する。「Against Civility: The Hidden Racism in Our Obsession with Civility」とともにもっと読まれるべき。