Sy Montgomery著「What the Chicken Knows: A New Appreciation of the World’s Most Familiar Bird」
多数の著書がある動物ライター(?)が、家で長年飼っていた鶏との交流について書いた短い本。30年ほど前に彼女の著書『彼女たちの類人猿: グドール, フォッシー, ガルディカス』が日本でも出版されていたらしい。
動物の行動に人間的な解釈を押し付ける擬人主義を警戒しつつ、それぞれの鶏の性格の違いや関係性について親しげに語ったり、鶏が人間である自分に名前をくれたと喜んだりと、微笑ましいエピソードがたくさん。同時に、コロナウイルス・パンデミックの際に自宅に籠もった人たちの多くが暇つぶしと孤独を紛らわせる手段、さらには買い物に行きづらいなか新鮮な卵まで入手できるオプションとして鶏を飼いだして、職場に戻るとともに大量の鶏が捨てられたという酷い話も。生物学的な研究にも一部では触れられているけれど、それより鶏萌えな人にお勧めな感じ。