Christopher Mims著「Arriving Today: From Factory to Front Door—Why Everything has Changed about How and What We Buy」

Arriving Today

Christopher Mims著「Arriving Today: From Factory to Front Door—Why Everything has Changed about How and What We Buy

ネットで購入したガジェットがアジアの工場で生産されてからアメリカの消費者の元に届くまでのそれぞれの段階で何が起こっているのかを追った本。製造されたガジェットが生産地近くの港でコンテナに入れられ、船で輸送され、アメリカの港でクレーンによって移され、トラックで倉庫に運び込まれ、注文を受けて段ボール箱に入れられ、再びトラックで配送センターに送られ、さらにそこから消費者の家へ––といった各段階において、データやテクノロジーの発展によって労働や管理のあり方が日々変化していて、それが過去とは違ったかたちの労働問題を生み出している。

著者がヴェトナムの工場で取材を始めたのはちょうど中国の武漢で新型コロナの感染が広まっていた時期で、パンデミックによってどのように流通が影響が受けたかという話もあるのだけれど、世界中で流通が滞ったとか、アマゾンがしばらく必需品を優先させるために多くの商品の発送を遅らせた、程度の扱いで、その点はちょっと物足りない。でも本題である流通と労働の変化についてはちゃんと書かれている。