Britney Daniels著「Journal of a Black Queer Nurse」
男性に間違われることにもあるマスキュリンなクィア黒人女性の派遣看護師による日誌。去年の春に出版されて以来気になっていたけどようやく入手。
子どものころ女の子とキスして親に叱られた話やどうして救急医療の道に進んだのかという話から、派遣看護師となって各地を巡るなか、コロナウイルス・パンデミックが勃発し仕事と生活がどう変わったかといった時系列の沿った展開はあるけれど、日誌というだけあって著者が仕事のあと、あるいは合間に綴ってきたものを集めただけといった感じで、大きなストーリーや起承転結はない。でもそれが自然で、患者とのほっこりする話、医者やほかの看護師と衝突した話、患者や同僚に差別的なことを言われたり差別的な扱いをされた話、黒人の患者に対する差別的な扱いに抗議した話など、著者の視点から見聞きしてきたことが丁寧に書かれている。彼女の仕事ぶりには尊敬しかないし、わたしが病気のときに助けてくれた看護師さんたちに対する感謝の気持ちが膨らんだ。てゆーかこんな素敵なブッチ(という言葉は本人は使っていないけど)な看護師さんがいたら惚れてまうわ。それほど長くなく、わりとどこからでも読めると思うので、読める人は読んで。あとミニドラマにしてほしい。