Allison Kelley, Danielle Kraese, Kate Herzlin & Ysabel Yates著「Jokes to Offend Men」

Jokes to Offend Men

Allison Kelley, Danielle Kraese, Kate Herzlin & Ysabel Yates著「Jokes to Offend Men

女性コメディアンによる本2冊(Kat Timpf著「You Can’t Joke About That: Why Everything Is Funny, Nothing Is Sacred, and We’re All in This Together」およびJena Friedman著「Not Funny: Essays on Life, Comedy, Culture, Et Cetera」)を紹介したついでに、昨年出版された、四人のフェミニストのコメディライターが書いたジョーク集も読んでみた。

ジョークそのものは、それほど面白くはない…というか、こういうショートなジョークを集めた本では普通なんだけど、まあ爆笑はしないけど時々クスッと笑うくらい。一番おもしろいのがジョークではなく章の構成で、タイトルの「男性を怒らせるためのジョーク」を細分化して「クエンティン・タランティーノを説明してくる男性を怒らせるジョーク」「MeToo運動は行き過ぎたと思っている男性を怒らせるジョーク」など、仕事・家庭・カルチャー・政治などさまざまな分野にジョークを分類している。でも実際にジョークを聞いた男性が怒るような内容はほとんどなくて、たぶんどこが面白いのか意味が分からなくてポカンとするような気が。

あと、古典的なジョークのフリをしておいて、真面目な回答を返すパターンもあって、たとえば「フェミニストを自称するけれどトランス女性を女性とは認めない人のことを何と呼びますか?」というフリに対して答えが「いろいろ呼び方はあるけれど、確実にフェミニストではありません」だったりして、そういう肩透かし的なメタジョークで主張を打ち出すのは嫌いではないのだけれどあまり多いとちょっとクドい気がする。

まあ来客用にトイレに置いておくか、表紙のインパクトから壁際に飾っておくにはいいんじゃないの、という感想。ちなみに先日訪れたオースティンのフェミニスト書店ではレジの横の目立つ位置に展示されてた。