Carol Anderson著「One Person, No Vote: How Voter Suppression is Destroying Our Democracy」

One Person, No Vote

Carol Anderson著「One Person, No Vote: How Voter Suppression is Destroying Our Democracy

マイノリティや貧困層や若者による参政権の行使を妨害するために共和党が繰り広げるさまざまな制度の悪用や改悪についての本。短いけどお腹いっぱい。たっぷりの実例で、トランプ支持者や共和党(やかつての南部民主党)がいう「不正投票」の言いがかりが、「マイノリティや貧困層や若者が投票できないように自分たちがこんなに頑張って妨害しているのに、投票するとは何事だ!」という怒りから来ていることがよく分かる。自由を得た元奴隷たちが政治的な力を持たないように生み出されたさまざまな制度が形を変えていまも続いているばかりか、次々とさらにクリエイティヴな新しい手法も開発されている。2018年出版の本なので、将来に期待を抱かせる成功した抵抗の例がダグ・ジョーンズの2017年の当選なんだけど、2020年に大差をつけられて負けちゃったよね… いまならジョージアが例になるんだろうけど。ちなみにそのジョージア州のブライアン・ケンプ知事はトランプのクーデター未遂に同調しなかったことでトランプに叩かれてたけど、もともとは黒人票を減らすためむちゃくちゃやってた人で、どっちもどっち。