Joe Coulombe著「Becoming Trader Joe: How I Did Business My Way & Still Beat the Big Guys」

Becoming Trader Joe

Joe Coulombe著「Becoming Trader Joe: How I Did Business My Way & Still Beat the Big Guys

在米クラスタのみなさんが大好きなTrader Joe’sの去年亡くなった創始者の回顧録&ビジネス本。生前に行った講演や書き残した文章から構成したっぽいんだけど経緯がやや不明。Trader Joe’sは在米日本人に限らずファンが多くて、ほかの企業と違ったフレンドリーなイメージを持っている人も多いと思うのだけど、この本を読むと政府の規制や労働運動をめっちゃディスってたり、高い教育を受けた客層を狙うために貧困層のイメージが付くフードスタンプの受け取りを拒否したり、企業として寄付する先は良い顧客の獲得に繋がりそうなシンフォニーや美術館や大学などを選ぶと書いてあったりして、まあ普通にイヤなヤツという印象。店舗における窃盗を「druggie」(麻薬常用者に対する侮辱語)のせいにして、「麻薬との戦争の最大の被害者は小売業だ」と書いたりも。

去年Trader Joe’sの労働者たちがコロナ対策の改善と特別手当を求めて運動したところ解雇された、みたいな話があって、まあもちろん創始者はとっくの昔にTJの経営には関わっていないんだけど、そういうところは創始者の時代のままなんだなあと。TJ大好きなままでいたい人は読まないほうがいいかも。