Preet Bharara著「Doing Justice: A Prosecutor’s Thoughts on Crime, Punishment, and the Rule of Law」

Doing Justice

Preet Bharara著「Doing Justice: A Prosecutor’s Thoughts on Crime, Punishment, and the Rule of Law

オバマ大統領によって任命され、ウォールストリートやニューヨーク政界の腐敗、マフィアやテロリストの追求に尽力した南ニューヨーク地区連邦検察官がトランプ政権によって解雇されたあとに出版した本。わたしは改革派検察官のラリー・クラスナーらを例外として基本的に主流派の警察や検察の本は読まないのだけど、かれが起訴した金融機関の不正事件に興味があったので読んだ。この本だけを読めばまあ普通に強者の犯罪を暴き弱者の権利を守る正義の味方なんだけど、まあそんな綺麗事なはずもないわけで。かれが新しい技術を使った盗聴など新しい捜査手法の採用を進めたのは事実で、それが今後後任者によってどのように使われるかによってはまずい前例を作ってしまったということにもなりかねない。